2025年12月14日
こんにちは、院長の村岡です。
顎関節症の治療にはさまざまな方法がありますが、今回は、当院の顎関節症専門外来で基本的治療の一つとして採用している低周波治療(マイオモニター)についてご紹介いたします。
咀嚼筋の緊張による顎関節症
顎関節症の症状には、「あごの痛み」「口が開きにくい」「カクカク音がする」など、さまざまなものがあります。これらの症状の背景には、多くの場合、顎関節そのものの問題だけでなく、あごを動かす筋肉(咀嚼筋)の緊張が深く関わっています。
顎関節症のおよそ8割に認められるとされる「咀嚼筋痛障害」に対して、当院では治療の一環として、「低周波治療器(マイオモニター)」を用いた筋機能へのアプローチを行っています。
「低周波治療器(マイオモニター)」とは
マイオモニターとは、皮膚表面からごく弱い低周波刺激を与えることで、緊張している咀嚼筋をやさしくリラックスさせる医療機器です。筋肉に直接働きかけることで、無意識に入っている力を一度リセットし、本来あるべき自然な筋の状態へと導くことを目的としています。

治療中は、電気刺激によってあご周囲の筋肉がリズミカルに動く感覚がありますが、痛みはなく、リラックスして受けていただける治療です。治療後には、「あごが軽く感じる」「口が開けやすくなった」といった比較的即効性のある変化を実感される方も多くいらっしゃいます。
顎関節症は、くいしばり癖、歯ぎしり、片咀嚼などにより、あごに負担がかかり、筋肉が過剰に緊張し続ける状態になっていることがあります。あごの筋肉の「コリ」のような状態です。この状態が続くと、顎関節への負担も増え、症状の慢性化につながることもあります。マイオモニターによる低周波刺激は、こうした筋肉の緊張を和らげることで痛みや開けづらさなどを改善することを促します。
当院では、マイオモニターを単独で使用するのではなく、お口の状態、顎関節/咀嚼筋の状態、生活習慣などを総合的に評価したうえで、必要に応じてスプリント治療や運動療法、生活指導などと組み合わせて治療を行います。
当院での顎関節症の治療について
顎関節症は、いくつかのタイプに分かれており、ただ、マウスピースを入れていれば治るのではなく、正確な診断に基づいて、適切な治療法を選択していくことが重要です。低周波治療は、筋肉の状態を整えるための一つの選択肢として、患者様一人ひとりに合わせた治療計画の中で活用しています。
あごの違和感や痛みでお困りの方は、早めのご相談が大切です。恵比寿あごと歯のクリニック顎関節症専門外来では、日米の顎関節症専門医としての立場から、丁寧な医療面接・診査を行ったうえで専門的に診療し、長期的に安心してお口を大きく開けられる、物を咬める状態を目指した治療をご提案しています。
※当院のマイオモニターは、保険診療も認められている、伊藤長短波イトー D function:歯科用両側性筋電気刺激装置(JMDNコード:70706000) (低周波治療器(JMDNコード:35372000)を採用しています。
