
顎関節症について
顎関節症について
「口が開けにくい」「あごが痛い」「カクカクと音が鳴る」
——こうした症状がある方は、「顎関節症(がくかんせつしょう)」かもしれません。顎関節症とは、あごの関節やその周りの筋肉に障害が起きることで、口の開け閉めや会話、食事などに支障が出る病気です。
近年は、顎関節症の診断と治療の精度を高めるため、世界共通の基準「DC/TMD」という国際分類が使われています。これにより、どの部分に問題があるのかをより正確に判断できるようになっています。診断においては、どのタイプの顎関節症なのかを正確に行うことが非常に重要です。複数のタイプの顎関節症が重複していることもあるので注意が必要です。
こうした症状は、顎関節やその周りの筋肉のトラブルが原因で起きていることが多く、放っておくと悪化することもあります。
顎関節症にはさまざまなタイプがあり、原因も人それぞれです。そこで、正確に診断するために世界中で使われているのが「DC/TMD(ディーシー・ティーエムディー)」という診断基準です。
DC/TMDでは、主に次のようなタイプに分類されます。
筋肉の痛み(筋痛)
あごを動かす筋肉(咬筋や側頭筋など)に痛みや疲労が出るタイプです。肩こりや頭痛をともなうこともあり、食いしばりや歯ぎしり、ストレスが関係していると言われています。
関節の痛み(顎関節痛)
耳の前にある顎関節の関節炎です。顎関節部分に炎症を伴うため、大きく口を開けたり、食いしばると痛みが出ます。
関節のひっかかりや音など(顎関節円板障害)
関節内にあるクッション(関節円板)がズレたり、引っかかったりして、「カクカク音がする」「口が途中までしか開かない」といった症状が出ます。
顎関節の骨の変形(変形性顎関節症)
顎関節の中で炎症が起きたり、年齢や使い過ぎで関節がすり減って変形してしまうタイプです。関節に強い痛みや違和感が出ることがあります。
顎関節症の原因は、ひとつではありません。次のようなさまざまな要素が重なって起きることが多いと考えられています。
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